いたみの原因
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侵害受容性疼痛の原因
「侵害受容性疼痛(炎症や刺激によるいたみ)」は、切った・ぶつけたなどの外傷や、体の組織の損傷によって起こるいたみです。
● 主な原因
外傷や体の組織の損傷によるもの
骨折、やけど、ねんざ、打撲などの外傷によるものや、一部の腹痛・歯痛、他には変形性関節症、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)、関節リウマチによるものなどがあります。
「侵害受容性疼痛」を生じさせることの多い病気
変形性関節症
加齢や肥満などにより、関節の軟骨がすり減って関節が変形し、いたみや腫れなどを起こします。
ひざや股など、下肢の関節などに多くみられます。
肩関節周囲炎
(四十肩・五十肩)
加齢により、肩関節を構成する骨・靭帯・軟骨・腱などが老化して、肩関節の周辺の組織に炎症が生じ、いたみを起こしたり、関節の動きが悪くなったりします。
神経障害性疼痛の原因
「神経障害性疼痛(神経の障害によるいたみ)」は、神経が傷ついたり圧迫されたり、糖尿病や感染症、脳卒中、がんなど、様々な原因によって神経が障害されることで生じます。
● 主な原因
神経の圧迫や締めつけによるもの
脊柱管狭窄症、手根管症候群、腰痛症など
糖尿病の進行により、神経が傷ついたことによるもの
有痛性糖尿病性神経障害など
ウイルス・細菌などの感染によるもの
帯状疱疹後神経痛、HIV感覚神経障害、神経梅毒など
ケガや手術により神経が傷ついたことによるもの
外傷後/手術後の後遺症、神経損傷による後遺症など
腫瘍やその化学療法によるもの
がん(悪性腫瘍)、脳腫瘍など
「神経障害性疼痛」を生じさせることの多い病気
脊柱管狭窄症
脊髄などの神経が通っている「脊柱管」が、腰などのあたりで狭くなって、脊髄や神経などを圧迫し、腰痛や歩行時に足のいたみ・しびれを起こします。
手根管症候群
手のひらの手首近くにある、腱や神経などが通っている「手根管」というトンネルの中の圧力が上昇して、神経を圧迫し、親指から薬指にかけていたみ・しびれを起こします。
有痛性糖尿病性神経障害
糖尿病の進行によって、末梢神経が障害され、足末端のしびれ、灼熱感やいたみなどの感覚異常、筋肉のけいれんなどを起こします。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の皮膚症状の改善後も、いたみだけが持続してしまういたみの病気のことをいいます。
監修
春日部市立医療センター
ペインクリニック内科
主任部長
日本大学医学部
麻酔科学系麻酔科学分野
臨床教授
加藤 実 先生