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肩関節周囲炎とは?

肩関節周囲炎の解説

「肩関節周囲炎」は肩のいたみや肩の可動域制限が生じる疾患です

加齢による組織の変化や繰り返される肩関節への負担などが誘因となって肩関節周囲に炎症が起こる疾患と考えられています

● 肩関節周囲炎 特徴や原因

肩関節周囲炎は、肩関節を構成する筋肉、筋肉を骨につなぎとめる腱、関節が滑らかに動くようサポートする滑液包や関節包などの組織に炎症が起こる疾患です。

外傷など明らかな原因がなく、疼痛や肩の可動域制限が生じます。滑液包や関節包が癒着すると、肩の動きがより制限されてしまいます。

肩関節を構成する筋肉の図 肩関節を構成する筋肉の図

40歳代~50歳代に好発することから、「五十肩(四十肩)」という名称でも知られています。この他、「凍結肩」や「癒着性肩関節包炎」と呼ばれることもあります。

女性に多くみられ、有病率は一般住民の2~5%と報告されています1)2)。片側の肩に発症した場合、もう片方の肩でも発症しやすくなります3)

肩関節周囲炎は加齢による組織の変化や繰り返される肩関節への負担などが誘因となって肩関節周囲に炎症が起こる疾患と考えられています。

肩関節周囲炎の危険因子として、糖尿病や甲状腺疾患などが挙げられます。

● 肩のいたみをもたらす他の疾患

肩のいたみをもたらす疾患は、肩関節周囲炎のほか、腱が板状に集まった腱板(けんばん)が切れていたみや筋力低下が生じる「肩腱板断裂」や、腱板に石灰(リン酸カルシウム)が沈着して炎症する「石灰沈着性腱板炎」などがあります。

肩関節周囲炎と他の疾患を見分けるために、画像検査(X検査やMRI検査)が用いられます。

肩腱板断裂
石灰沈着性腱板炎
  1. 1)高岸憲二:いわゆる五十肩.岩本幸英編,神中整形外科学 下巻 南山堂,p397-399,2013年
  2. 2)高岸憲二:五十肩の病態と治療.日本整形外科学会雑誌73巻,479-488,1999.
  3. 3)一般社団法人 日本理学療法学会連合 理学療法標準化検討委員会ガイドライン部会編:肩関節周囲炎.理学療法ガイドライン第2版(WEB版,https://cms.jspt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/2nd%20edition/p427-461_07.pdf.)(2024年9月9日に閲覧)(公益社団法人日本理学療法士協会監修),p429.医学書院,2021

監修

高知大学医学部
整形外科学講座
教授

池内 昌彦 先生