変形性膝関節症によるいたみの「治療」
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変形性膝関節症によるいたみを「治療」する

「変形性膝関節症」によるいたみの治療では、
- 1. ❶ 薬物療法
- 2. ❷ 運動療法
- 3. ❸ 手術療法
などが行われます
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1. ❶薬物療法
鎮痛を目的に行われます。併存疾患があるか、他の臓器や心血管などに影響が出そうかなどを考慮して、薬の種類を選択します。
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● 内服薬(飲み薬)
解熱鎮痛剤、非選択的NSAIDs内服薬、COX-2選択阻害薬、下行性疼痛抑制系賦活型疼痛治療剤(非オピオイド、非シクロオキシゲナーゼ阻害)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、がん疼痛・慢性疼痛治療剤など
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● 外用薬(塗り薬、貼り薬)
NSAIDs外用薬など
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● 注射
ヒアルロン酸関節内注射、ステロイド(合成副腎皮質ホルモン)関節内注射など
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2. ❷運動療法
いたみの緩和や筋力増強、膝の可動域や膝を支える機能の回復、ADL(日常生活動作)の改善などを目的に行います。
筋力トレーニング、エアロビクス、平地でのウォーキング、水中運動、太極拳などに取り組みます。
また、変形性膝関節症のリスクのひとつである肥満に対しても効果があると考えられます。
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3. ❸手術
症状が重く、保存療法(薬物療法、運動療法)を実施しても改善がみられなかった場合には、いたみの緩和やADLの改善などを目的に手術が行われます。
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● 膝周囲骨切り術
主に患者さんの活動性が高い場合や、比較的年齢が若い場合に行われます。すねや太ももの骨を切ることで膝関節内の体重のかかり方を調整し、症状の改善を目指します。
手術後にはスポーツへの復帰も期待できます。
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● 人工関節置換術
重度の場合や高齢患者さんに対して行われます。膝関節を金属やセラミックで作られた人工膝関節で置き換えます。
また、近年では手術支援ロボットを導入している医療機関もあります。
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手術の前後にはリハビリテーションを行い、いたみの緩和や身体機能改善を目指します。

監修
高知大学医学部
整形外科学講座
教授
池内 昌彦 先生